THE ROAD OF VIRGIN

俺はまだまだ心は処女

神のお告げは唐突に

塾講師のバイトを大学一年生の5月から始め、そして禁止されている塾講師のバイトの掛け持ちを行い始めたのが一年生の10月、二年生の10月に吹っ切れて最初にはいった塾講バイトを辞めそして今、5月…。メインバイトとなった二番目に始めた塾講師を辞めたくなりました。

 

上記では省略しましたが私は今まで10個以上のバイトをやってきてまぁ大体それは単発だったり日雇いだったりで大したものじゃなかったことが多いけどそうでないもの、つまりは辞め時を自分で決めるようなバイトではバイトを辞めたいと思う瞬間私の中に神様が降りてきてこう告げるのだ。

 

「バイトを辞めなさい」

 

神のお告げがあるとなるとそれに従わざるを得ない。毎回神のお告げあれば私はその当日中、真っ先に社員に適当な理由をつけてバイトを辞めてきた。

 

そしていよいよ今回のバイトもその時が来た。

シフトに緊急で入り、たった1コマだけの授業をするために出勤したはいいが振替授業だったことが災いし生徒が来ず、1コマ90分の暇を与えられ教室をひたすらコロコロで掃除する以外のことがなくなった時、その時は訪れた。

 

−−−辞めよう

 

そう思ったのもつかの間、冷静に考えたら現在の私はこの塾講師以外のバイトはしておらずこれを辞めたら晴れて無職、プー太郎大学生である。いやまぁ一応学生の身分である以上無職とは言わないまでもバイトをしていない大学生なんて一部の富裕層か極端に金を使わない人間だけであろう、偏見だけど…。

 

実際辞めたところでどうするか、その目処が一切立っていないのである。いや少ない貯金を切り崩していくのもいいし月々支給される10万円(お小遣いでもバイトでもないんだけど理由を説明するとややこしいが自由に使っていい金がなぜか私にはある)で生きていくのも存分にアリ。いや冷静に10万円あれば貯金も余裕で出来るぐらいには生活できるだろうと思うであろうがなぜか私にはそれができなかったのである。土日に植物を買いに行けばなぜか一万円を費やしてしまうような人間なのだ。悠々自適に親の脛をかじる実家暮らしでもなぜか10万円はきっちりと消えていくのである。

 

 

そうしてバイトを辞めるにあたって新たなるバイトを探し始めたがその条件は

・服装自由

・月2万稼げればいい

・辛くない

・怒られない

 

と言うゆとりの生んだゆとりモンスターここに極まれり、と言うような条件なのである。もちろんこんな条件で検索をかけたら膨大な量のバイト情報を提供するバイトルですら検索結果の桁数が一気に減った。蜘蛛の子散らしたみたいになった。

 

そして候補として出てきたのが

在宅ワーク(タイピング、アンケート)である。

アンケートはクソほど稼げなさそうなので除外して在宅ワーク、なんて魅力的なんだろう…!趣味で揃えた観葉植物に囲まれながら中学生の頃は学校を休んで引きこもってやっていたネトゲで鍛えられたパソコンスキルを活かすのは今!在宅ワーカーに俺はなる!と高らかに宣言し応募フォームを迷わず押した。似たようなバイトもついでに一気に10件くらい登録した。

 

そして辞めると決意した塾バイトに行き、帰ってきて早速本登録を行った。

 

その日も塾では突然「2日後の土曜日シフト入れますか!?」と塾長に聞かれたが

(全然空いてるんだけどめちゃめちゃ予定空いてる暇人だと思われたくねーな)

と謎の見栄を張り帰宅後に「先ほど話してた土曜日の件ですがシフト入れました!」と連絡を取ると「確認したらやっぱり大丈夫でした笑」と返信が来て辞めたさが増したりしたのでさらに意気揚々と在宅ワークの登録をするべくパソコンを立ち上げた。

 

 ところで私のパソコンはmacbookである。大学入学祝いに親に買ってもらったものだが「なんかオシャレっぽいから」という理由でmacを選んだ。

 

対して在宅ワーク、求められる作業環境は全てwindowsなのである。

この「なんかオシャレっぽいから」という理由で使い始めはクソ慣れないmacを使う大学生が多い中ほとんどの在宅ワークではmacを作業環境として推奨していないのである。

 

だったらお前カフェでもオシャレに作業できるとか書くなや!!スタバでマックいじりながらワーキングすることを想定して応募した大学生とか絶対多いやん!!

 

と普通にキレた。結局在宅ワークも無理そうなのである。

 

この事実を知る数時間前にとびきりの笑顔で「バイトやめるね!」と伝えた元同級生の現同僚の友人、大学の友人達にその旨を伝えると「決心揺らぐの早すぎない?」と言われた。その通りである。

 

しかし神のお告げは確かにあった。すぐではなくてもバイトは近いうちに辞めなくてはいけない。何より一度決めたことをやめるのって…ダサくない?という謎の羞恥心を抱え、服装自由の条件を無視して私は試験監督のバイトに応募をしたのであった。